

改定されたシステム管理基準を引き続きひもときます。(太字や下線は筆者、以下同じ)
「II. 企画フェーズ」(実際はローマ数字)の章立ては下記の構成になっています。
1.プロジェクト計画の管理
2.要件定義の管理
3.調達の管理
たとえば
1.プロジェクト計画の管理
においては、以下の「基準」「主旨」「着眼点」が記述されています。
(3) PMは、プロジェクト計画を策定し、プロジェクト運営委員会の承認を得ること。
<主旨>
PMは、情報システム戦略を達成するために、適切かつ実現性のあるプロジェクト計画を策定する必要がある。また、プロジェクト運営委員会は、利害関係者のニーズが反映されていることを確認し、承認する必要がある。
プロジェクト計画には少なくとも以下の内容を含める必要がある。
① プロジェクトの目的
② 対象業務
③ プロジェクト体制
④ スケジュール
⑤ 投資額(予算)
⑥ 期待される効果<着眼点>
① プロジェクトの目的が情報システム戦略と整合していること。
② 対象業務が明確に定義されていること。
③ プロジェクト体制において、利用部門及び情報システム部門の役割が明確になっていること。
④ システムリリースの時期が適切に設定されていること。
⑤ スケジュールに利用部門への教育及び情報システム部門への訓練が含まれていること。
⑥ 既存システムを更改する場合は、既存システムの評価を行うこと。
プロジェクト計画書に盛り込む一般的な項目はひととおり網羅しているという印象です。また、
2.要件定義の管理
においてはこんな記述もあります。
(3) プロジェクト運営委員会は、優先順位付けの適切性を検証すること。
<主旨>
プロジェクト運営委員会は、情報システム戦略から逸脱しないようにするために、要件に対する優先順位付けが適切に行われていることを検証する必要がある。
<着眼点>
① 全ての要件に対して定量的及び定性的評価を実施していること。
② 評価の尺度又は根拠が明確になっていること。
③ 費用対効果を明らかにしていること
PMとプロジェクト運営委員会による密接なコミュニケーションがプロジェクトの成功には不可欠であることがわかります。
なお、プロジェクト運営委員会については以下のように定義されています。
(2) 委員会(情報システム戦略委員会,プロジェクト運営委員会等)
情報システム戦略の策定や大規模プロジェクト等では組織全体にまたがる利害関係者の調整が必要となる。経営陣はCIOを含む複数のCxO、あるいは後述する部門長を含む委員会を組成し、必要な権限を委譲する。そのため、委員会も経営陣の一部とする。
なお、小規模な組織、あるいは組織内の調整が容易な場合には、委員会を組成しないことがある。その場合には、本基準において、委員会に関する記述は経営陣として読み替えることとなる。
実務においてはこのような委員会を組成しないケースが意外に多いので、プロジェクト承認機関としての委員会の組成はプロジェクト全体のリスクを下げるためにも必須としたいところです。
システム管理基準については、ぜひ本文をダウンロードしてリファレンスとしてお役立ていただければと思います。
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